国税不服審判所のホームページによると、税に不服があって、審査請求をした場合の処理状況は、以下のようになっています。
一般的に、税務調査の結果について不服を申し立てても「まず勝てない」と思っているかもしれませんが、納税者の請求の約1割が認められているのがわかります。
実際、当事務所が担当した事例でも、納税者側の主張を認めてくれています。
区分 | 全部認容 | 一部認容 | 棄却 | 却下 | 取下げ | 計 | 認容割合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
18年度 | 91 | 270 | 1,882 | 329 | 373 | 2,945 | 12.30% |
19年度 | 92 | 212 | 1,592 | 284 | 224 | 2,404 | 12.70% |
20年度 | 159 | 256 | 1,847 | 268 | 284 | 2,814 | 14.70% |
21年度 | 143 | 241 | 1,620 | 304 | 285 | 2,593 | 14.80% |
22年度 | 153 | 326 | 2,289 | 640 | 309 | 3,717 | 12.90% |
23年度 | 119 | 285 | 1,994 | 285 | 284 | 2,967 | 13.60% |
24年度 | 150 | 301 | 2,482 | 381 | 304 | 3,618 | 12.50% |
25年度 | 73 | 163 | 2,481 | 197 | 159 | 3,073 | 7.70% |
26年度 | 117 | 122 | 2,388 | 165 | 188 | 2,980 | 8.00% |
27年度 | 37 | 147 | 1,615 | 289 | 223 | 2,311 | 8.00% |
税務調査などの結果、更正処分など税務署長が行った処分に不服があるときは、その処分の取消しや変更を求める不服申立ての手続を行うことができます。
手続は、3つです。
・再調査の請求
・審査請求
・税務訴訟
税務署長が行った更正などの課税処分などに不服があるときは、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、「再調査の請求」を行うことができます。相手は税務署長です。
ただ、この再調査の請求は必ずしなければならないわけではなく、この再調査の請求を経ずに、直接国税不服審判所長に対して審査請求を行うこともできます。
「再調査の請求」を受けた時、税務署長は、その処分が正しかったかどうか、改めて見直しを行い、その結果を「再調査決定書」により納税者に通知します。
「審査請求」は、国税不服審判所長に対して行う不服申立手続です。
再調査の請求を経ずに直接行うことも、再調査の請求を行った後、その決定後の処分になお不服があるときにも行うことができます。
直接審査請求を行う場合には、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、再調査の請求を経てから行う場合には再調査決定書により通知された日の翌日から1か月以内に審査請求書を提出する必要があります。
国税不服審判所長の裁決を受けた後、なお処分に不服があるときは、その通知を受けた日の翌日から6か月以内に裁判所に「訴訟」を起こすことができます。