労働審判

この記事では、以下の内容について解説しています。


  • 労働審判制度とは
  • 労働審判の手続の流れ
  • 労働審判の弁護士費用

労働審判制度とは

使用者と労働者の間で生じた紛争について、民事訴訟によって解決しようとすると、地方裁判所の第一審段階で平均10ヶ月程度もの時間がかかってしまいます。

そこで、より迅速な紛争の解決のために、平成18年4月から実施が開始された制度が労働審判制度です。

労働審判制度の審理に要した期間は平均約2ヶ月半となっています。

労働審判制度は、企業と個々の労働者間の個別労働紛争を対象とし、地方裁判所で行われます。
労働審判制度では企業と組合の紛争は対象としていません。

当事者の申立てをうけ、原則として、3回の期日で、地方裁判所の裁判官から指定された労働審判官一人と、労働関係に関する専門的な知識を有する者から任命された労働審判員二人で構成される労働審判委員会によって審理され、労働審判が行われます。

審理の途中、調停が成立する場合もあります。

この労働審判に異議がある場合には、裁判所に異議申立てをすることができ、適法な異議申立てがあった場合には、労働審判は、その効力を失い、自動的に訴訟手続に移行していきます。

異議を申し立てない場合には、労働審判は裁判所の和解と同一の効力を有します。

裁判所の和解と同一の効力を有するとは、労働審判の結果、労働者側の請求が認められた場合には、この労働審判の審判書で、強制執行をされるということです。

労働審判制度は原則として3回という限られた期日で審理を終結することとなっており、第一回期日から実質的な審理を行うために、労働審判を申し立てられた者にも、提出期限までに、予想される争点、争点に関する重要な事実、争点ごとの証拠を記載した答弁書、証拠書類の提出が求められます。

労働審判手続には、専門的・法律的な知識を要する場合も多く、通常は代理人を選任することが望ましいといえます。

申し立て手数料は民事調停と同じで、通常訴訟の約半分です。

労働審判の手続の流れ

労働審判の手続の流れにそってより詳しくみていきましょう。

1.管轄について

労働審判は、相手方の住所、居所、営業所、事務所の所在地、労働者が現在働いているまたは最後に働いていた事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所、当事者が書面でした合意で定めた地方裁判所の管轄となります(労働審判法2条)。

2.申立て

申立ては、書面でしなければなりません(労働審判法5条2項)。

申立書には、申立ての趣旨及び理由、予想される争点、予想される争点に関連する重要な事実、予想される争点ごとの証拠、当事者間においてされた交渉その他の申立てに至る経緯の概要、代理人(いない場合申立人)の住所の郵便番号及び電話番号、FAX番号を記載します(労働審判規則9条1項)。

申立ての理由は、どの紛争についての申立てなのかを特定するのに必要な事実、申立を理由づける具体的な事実を記載しなければなりません(労働審判規則9条2項)。

また、予想される争点について証拠書類がある場合にはその写しを申立書に添付します。

3.期日指定・呼出し

労働審判手続の適正な申立てがされた場合、労働審判官は原則として、申立ての日から40日以内に第1回の期日が指定されます(労働審判法14条、規則13条)。

当事者に対する1回目の呼出状には、第1回目の前にあらかじめ主張、証拠の申出及び証拠調べに必要な準備をするべき旨が記載され(規則15条1項)、相手方に対する呼出状には更に期限までに答弁書を提出すべきことが記載されます(規則15条2項)。

4.答弁書の提出

申し立てられた相手方は期限までに、答弁書を提出しなければなりません。

答弁書には、申立ての趣旨に対する答弁、申立書に記載された事実に対する認否、答弁を理由づける具体的な事実、予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実、予想される争点ごとの証拠、当事者間においてされた交渉、その他の申立てにいたる経緯の概要代理人(代理人がいない場合には、相手方)の住所の郵便番号及び電話番号(FAXの番号を含む)を記載します。

予想される争点についての証拠書類がある場合には、その写しを答弁書に添付しなけれません。

答弁書は相手方が申立人に直送し、裁判所には労働審判委員会用の3通を提出します。


その後、3回以内の期日で争点に即して証拠調べをし、調停を試み、審判を行うので、申立、答弁書が、実質的なもので事前準備がよくなされている必要があります。

労働審判制度は3回という短い期日が設定されている制度なので、当事者の協力が不可欠であり、また、複雑な争点を含んでいるものには適していませんが、会社にとって、短期間で紛争の解決が図れるという長所があります。 

労働審判の弁護士費用

従業員から労働審判を申し立てられた時は、当事務所で弁護を引き受けることができます。
労働審判は、スピードが勝負です。
申立書が届いたら、すぐにご相談ください。

その際の弁護士費用は、基本的に次のとおりですが、申立書を拝見し、事情をおうかがいした上で、お見積もりさせていただきます。

<着手金>

300,000円~500,000円(消費税別途)

<報酬金>

下記(1)と(2)の合計額です。

(1)金銭解決の場合

① 経済的利益の額(A)が300万円以下の時
  報酬金=(A)×16% 

② 経済的利益の額(A)が300万円を超えて3000万円以下の時
  報酬金=(A)×10%+18万円

③ 経済的利益の額(A)が3000万円を超えて3億円以下の時
  報酬金=(A)×6%+138万円

④ 経済的利益の額(A)が3億円を超える時
  報酬金=(A)×4%+738万円

(2)金銭解決以外の解決の場合

① 話し合いでの解決の時
  報酬金=200,000円~500,000円(消費税別途)

② 申立取り下げの時
  報酬金=300,000円~500,000円(消費税別途)

※顧問契約締結の際は、減額致します。