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コンプライアンスとは?

・牛肉偽装事件
・賞味期限切れ原材料の使用
・偽装請負
・リコール隠し
・一酸化炭素中毒事故
・サービス残業

ここ数年で企業のコンプライアンス(法令遵守)が問題となった事例の一部です。
いずれも大きなニュースになり、中には解散に追い込まれた企業もあります。
「うちには関係ない」と思っていられるでしょうか。
今やコンプライアンスは企業の存続をも左右する重大な事項なのです。

企業が果たすべきコンプライアンスの内容は、その対象に応じて大きく四つに分けることができます。

・企業の消費者に対するコンプライアンス
・企業の企業に対するコンプライアンス
・企業の社員に対するコンプライアンス
・企業の株主に対するコンプライアンス

消費者に対するコンプライアンス

牛肉偽装事件、賞味期限切れ原材料の使用といった事例からも分かるように、消費者に対するコンプライアンスは、国民全体の健康・安全に関するので被害が深刻です。
対象が多数広範囲にわたり、被害が甚大となる恐れがあるため、隠蔽自体が問題になり、公表を強いられます。

そうなるとマスコミが注目するので、企業の浮沈を左右します。

刑事責任を問われるおそれのある事項を把握するのはもちろんのこと、消費者契約法や特定商取引法、個人情報保護法等、消費者保護制度を理解しコンプライアンスを考えることが重要です。

企業に対するコンプライアンス

企業間でのコンプライアンスでは何よりも「契約」をどうすべきかが問題になります。「契約」では契約自由の原則が適用されますが、消費者や下請けなどの弱者相手ではその修正が求められますし、特殊な契約ではそれぞれに規制があります。

知的財産権を有する場合では競争者間の地位の優劣が明らかに異なりますし、独占禁止法の適用があるかどうかも、ビジネスを進める上での考慮が不可欠です。

また、ビジネスの分野では、売買契約等の契約関係に民法上の様々な規定が適用されますが、商人間の契約として商法が優先して適用されます。

民法というのは私人間の規律ですが、商法は商人間の規律ですので、ルールは厳しくなります。
民事の金利は5%ですが、商事では6%になり、個人間の貸し借りでは10年の消滅時効が、当事者の一方でも商人の場合には5年で消滅時効になります。

このように企業間の契約においては、広い範囲で法律を見なければならず、契約書を中心としたコンプライアンスが求められています。

社員に対するコンプライアンス

これまでコンプライアンスは経営に関する問題であり、労働問題にはあまり関係ないと考えられてきました。
しかし、近時はサービス残業や労災問題など、労働問題は、企業のコンプライアンスの中でも重要な地位を占めるに至りました。

労働法制で重要なのは労働基準法です。本来、雇用関係も契約として、契約自由の原則から、労働者・使用者間でそれぞれ決めればいいはずですが、力関係が圧倒的に違う者の間では労働者に不利になるおそれが強いため、労働条件は厳しく強行法規として決められています。

10人以上雇っているところでは就業規則を定め、労働条件をはっきりさせなくてはいけません。

その他、従業員の不祥事と解雇、内部告発(公益情報通報者保護制度)など、企業経営において、人事・労務問題に直面することは多く、コンプライアンスの重要性は常に認識しておくべきでしょう。

株主に対するコンプライアンス

企業と株主との関係で考えるべきコンプライアンスとしては、内部統制システム、企業防衛策、株主総会の運営などが挙げられるでしょう。

会社法が改正され、法令遵守を目的の一つとする内部統制システムの構築が大会社には要求されることとなりました。

しかし、内部統制システムは大会社ばかりが重要視すべきものではありません。
何か問題が起きたときに「あの会社の内部統制システムはどうなっていたのか」と問われることになるのです。
会社規約の作成、コンプライアンスに必要な組織体制の構築、訓練や教育でコンプライアンス問題を意識させていくことが重要になります。

M&Aはスピーディに会社を改善することのできる方法です。いまや国内企業間でのM&Aをめぐって厳しい対立も生じています。

そのような状況で、買収防衛策や買収方法に法律違反があれば、違反したほうは劣勢に陥りますし、株主からの訴訟も起こされる可能性があります。

経営者としては、法律や今までの事例を踏まえた慎重な判断が要請されます。

株主総会は、企業の重要な事項を決定する、会社にとっては最も重要な場といえます。
そのため株主総会におけるトラブルや紛争は後を絶ちません。大企業では総会屋対策や、株主からの質問対策が重要になってきますが、中小企業では、取締役の解任等会社の支配権をめぐっての争いが顕在化する場面であり、株主総会決議の不存在や決議の取消などということが起きないよう、コンプライアンスを考えていく必要があります。

まとめ

消費者・企業・社員・株主の四つの場合以外でも、今日のインターネット社会では、インターネットに関するコンプライアンスが重要になっています。
このように、現代社会において企業は、あらゆる場面でリスクに直面しており、コンプライアンスはますます重要になっていくでしょう。